
独立して事業を始めて10年が経ちました。
紆余曲折ありましたが、これまで事業を継続できているのは、さまざまなご縁がつながって、お客さまがお客さまをご紹介くださっているからこそです。心から感謝しております。こうしてご紹介をいただけているのは、弊社がお手伝いすることで、組織に着実にプラスの変化が起こっているからだと思います。
変化が起こっているのは、次の3つに取り組んできたからです。
- 組織のカナメであるリーダーに働きかけること
- セオリーを示しながら、どう行動するのかをリーダーに自ら考えてもらうこと
- 行動から学んで次の行動をバージョンアップする場を作ること
これらを通じて、組織のメンバーのお互いの理解を深め、信頼を培うことにつなげていくことが組織の変化を生み出すキモと言えるでしょう。
組織マネジメント環境の変化
こうして、主にリーダーの方々に関わってきたわけですが、この10年でリーダーを取り巻く環境はますます厳しくなりました。
従来型の日本企業の組織運営の基盤になっていたのは、長時間労働と、同じ場を共有することによって培われる「お互いのことはわかりあってるよね」という安心感でした。それぞれが残業に取り組みながら、先輩や上司と仕事の考え方やプライベートについて雑談したり、「ちょっと一杯だけ」と上司に誘われて近くの飲み屋についていったら、終電の時間になっていたり、ということは日常茶飯事でした。
そうした世界はもはや遠い昔の話です。
働き方改革で基本的に残業はできなくなりました。それはとても望ましいことだと思います。しかしその分、業務時間内になんとか仕事をやり遂げなくてはならず、雑談などを通じてお互いを理解し合う時間は極めて限られてしまいました。さらにコロナがやってきて、リモートワークが標準になりつつあります。メンバー同士の接点そのものが限られてしまい、場を共有することさえも、極めて難しい環境になってしまいました。
リーダーのみなさんは困惑しています。この時間も場所も限られた厳しいマネジメント環境の中で、どうやって成果を出せばいいのだろうか、と。この10年でその困惑はさらに深くなっています。
これからの組織マネジメント
長時間労働と場の共有によるマネジメントはすでに不可能です。私たちは組織マネジメントにおけるあたらしいオペレーションシステムを手に入れざるを得ません。それは、意図的に接点を作り、対話を通じて信頼関係を作りながら、仕事を前に進めていくというスタイルです。なんとなく長く時間をかけて「わかってるよね」という関係を作るのではなく、学習と成長とを促し、成果につながるように支援するマネジメントです。
こうしたマネジメントをお客さまの組織にインストールする仕事に、試行錯誤しながらも10年間取り組んできました。そのなかで再認識したのは、職場で起こっているマネジメントの悩みは、本に書いてある一般論ではうまく解決できないことばかりだ、ということです。なぜならそれは、一人ひとり個性や強みが異なっている、人と人との間で生じる悩みだからです。
弊社の仕事は成果が出る組織を作る仕事なのですが、考えてみればその本質は、人と人とがお互いを理解し信頼しあえる場を作る仕事でした。
お互いに尊重し理解し合うことが成果を生む
テクノロジーが進んで、システム化、ロボット化、AI化が浸透してきています。この流れはこれからも進むことでしょう。仕組み化された定型的な仕事はだんだんと人間がやる仕事ではなくなっていきます。そうなると、組織が成果を出せるかどうかは、人や組織が持っている創造性によって決まります。
その創造性は、高い目標を課したり、ギリギリとコストダウンを求めたり、といったことでは生まれません。働く人同士がお互いに尊重し理解しあって、学習と成長を刺激しあう組織を作ることができれば、結果として創造性が生まれ、成果につながっていきます。
これからの10年も、弊社が提供するサービスの社会的意義を感じながら、ひとつひとつのお客さまのお悩みの解決に携わっていきます。この会社で働いていてよかったと心から思える会社を増やしていくことに、こころからワクワクしています。
これまでのお客さまとご縁を深め、あたらしいご縁がつながるお客さまとの出会いを増やしていくことが、社会を変えていくことだと信じて、活動を続けていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
2022年1月24日 代表取締役社長 北方伸樹
北方伸樹 プロフィール
経済産業省登録 中小企業診断士
1990年 |
京都大学教育学部卒業。住友金属工業株式会社入社。本社人事部で若手教育の企画運営を経験後、プラントエンジニアリング事業部で調達、海外技術支援営業、建設現場運営サポートに携わる。 |
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2001年 |
プラウドフットジャパン株式会社に入社。マネジメントサイクルの構築と業務改善を通じて生産性を向上させるプロジェクトを多数運営した。コーチングスキルを活用しながら、クライアント企業のマネジメント層の行動の変化と定着を実現した。 |
2004年 |
企業再生・不動産投資ベンチャーのリサ・パートナーズ株式会社に入社。人事責任者として主に中途採用業務に注力し、東証第一部上場に貢献した。 |
2006年 |
日本でのコーチングの草分けである株式会社コーチ・エィに入社。マネジメント層に対する1on1コーチ、コーチングスキルトレーニングコースのトレーナー、企業向けコーチングスキル研修講師、関西エリアの顧客開拓営業を行った。2009年中小企業診断士登録。 |
2012年 | Office Anniversary中小企業診断士事務所を開業し独立。 |
2014年 | 株式会社オフィス・アニバーサリーを設立し、代表取締役に就任。 |
主な専門分野
- 組織マネジメント改革プロジェクト運営
- 経営層、マネジメント層に対する1on1コーチ
- 組織運営上の課題に関するファシリテーションサービス
- マネジメントサイクル構築サポート ・コーチングスキル、コミュニケーションスキル、リーダーシップ発揮、 ファシリテーションスキルトレーニング
主な実績
- 組織マネジメント改革プロジェクト運営
土木系建設企業(50名)、石油配送企業(50名)、住宅建設企業(50名) - 研修講師
大手エネルギー系企業A社:ファシリテーションスキル研修および定着支援
大手エネルギー系企業B社:コミュニケーションスキル研修
大手金融機関:リーダーシップ研修
地方自治体:就職支援トレーニング
自動車ディーラー:パワハラ・セクハラ研修
その他多数