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伝えるつもりがないのに伝わってしまうもの

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こんにちは、オアフのマイケルです。すっかり寒くなってきましたね。
さて、本日ご紹介する本はこちら。

横藤 雅人、武藤 久慶
「その指導、学級崩壊の原因です!『かくれたカリキュラム』発見・改善ガイド」
明治図書
http://amzn.asia/d/goXnvTz


以前、人材・組織開発の分野で著名な中原淳先生が紹介されているのを見て、興味が湧いて買ってみた本。主に小学校の先生向けに書かれた本ですが、中学や高校の先生、または先生でなくとも人を教えたり育てたりする仕事に関わる人には、とても勉強になると思います。

「かくれたカリキュラム」とは「教師が意図も意識もせずに教え続けている教育内容」
つまり先生がそんなこと教えるつもりもないのに、結果として教えてしまっている知識や価値観、行動様式などのこと。この本では、小学校の学級運営の様子を絵で示し、この場面に潜んでいるかくれたカリキュラムは何でしょう?と、ビジュアルを用いて具体的に解説されています。

たとえば最初の事例。めちゃくちゃに散らかった教室の様子が描かれた絵を見て「この教室に潜んでいるかくれたカリキュラムを10個以上みつけましょう」と質問される。最初は「え、10個以上もあるの?」と驚いたけど、回答ページを読むと21個もの回答例が示されているのを見てさらに驚く。そしてどれも「確かにそうだなぁ」と思うことばかりです。

具体的には、枯れた植物が放置されていたり、棚に物が乱雑に突っ込まれたままになっていたりする様子から、生徒たちは「生き物を大事にする必要はない」「教室は汚くてもいいんだ」といった認識を学び取ってしまうらしい。しかも意識的にではなく無意識のうちに。そして無意識の学びが契機となって生徒の行動が荒れていくらしい。ひとつひとつは些細なことでも、些細なことにこそかくれたカリキュラムは存在しているんですね。

他にも指導現場のシーンを想定して、このシーンのかくれたカリキュラムを考えてみましょうという設問も豊富です。先生の服装、全校集会での先生の立ち位置、生徒が先生をあだ名で呼んできた時の応対、「今の問題、わかった人〜?」という問いかけなど、そのシーンに潜むかくれたカリキュラムを丁寧に洗い出して、それぞれが生徒たちの心理に与える影響など、よくあるかくれたカリキュラムの見つけ方と改善の方法が、著者の実体験をベースに丁寧に説明されています。

かくれたカリキュラムは、学校の教育現場のみならず、大人の職場にもいたるところに潜んでいると思います。特に「言っていることとやっていることが違う」という形で。「わからないことがあれば何でも相談して」と言いながら、いざ相談すると嫌そうにしたりめんどくさそうな態度を示したりする上司や先輩などが、その典型例ではないかと。当人は無自覚でも、その食い違いは「ダブルバインド」となって、相手を困惑させたり追い詰めたりするんですよね。

人は無意識のうちに、言動や行動、はたまた存在そのものからいろんなメッセージを発信しているもの。そしてそれが、いろんな人にいろんな形で受け取られているもの。そのメッセージに一貫性がないと、本当に言いたいことが伝わらないどころか、伝えたいこととまったく違う不本意な内容として伝わってしまうこともあります。

あなたが普段どんな「非言語メッセージ」を「無意識のうちに」発信しているのか、この本を読みながらふりかえってみませんか?

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