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くよくよしたっていいんだよ「レジリエンスは身につけられるか」

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こんにちは、オアフ*のマイケルです。
東日本大震災が発生してから丸8年が経過しましたね。当時の記憶をできるだけ風化させないように抱きつつ、今も変わらぬ日常を過ごしこのブログを更新できることに至上の感謝を感じながら、これからも人生の歩みを進めていきたいと思います。

さて、本日ご紹介する本はこちら。
平野真理「レジリエンスは身につけられるか」東京大学出版会https://www.amazon.co.jp/dp/4130161202/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_diZHCbYY4KNG2

4,800円+消費税もしますが、読んでいると泣きそうになってくる稀有な専門書です。著者の「精神的な弱さを抱えている人を、少しでもよりよく援助できるようになりたい」という切実な思いがひしひしと伝わってくるんですよね。そしてあなたの精神的な脆さは「弱さではなく強さ」だから、もっと前向きに捉えていいんだよと励ましてもらっている気分になれます。

いろんな定義・解釈がありますが、ここでいうレジリエンスとは
「ストレスフルな状況にも潰れることなく適応し、また精神的な落ち込みから回復する個人の力」
何か辛い出来事に直面した時、落ち込むか落ち込まないかは「人それぞれ」ですが、その落ち込みからどれくらいの時間で、どのような方法で立ち直るかも、まったく「人それぞれ」。
では、落ち込みやすい人と落ち込みにくい人では何が違うのか、また落ち込みから立ち直りやすい人と立ち直りにくい人も何が違うのかを、過去の先行研究のレビューに量的・質的分析など、様々な研究を通じて明らかにしようとする力作です。

著者の平野先生は、レジリエンスを構成する要因を
資質的=生まれもった特徴であり、後天的に身につけるのが難しい要因」

獲得的=先天的な特徴に影響を受けにくく、意図的で身につけやすいもの」
に分けて説明します。
そして分析の結果、資質的要因として「楽観性」「統御力」「社交性」「行動力」が、獲得的要因として「問題解決志向」「自己理解」「他者心理の理解」が挙げられる可能性を示します。
さらに資質的要因を多く持つ人は、何か問題に直面した時に「過度に落ち込まず、積極的に解決を図っていこうとする」一方で、あまり持たない人は「落ち込んでしまい、問題を目の前に身動きが取れなくなる」傾向があることを示唆します。

では資質的要因を多く持たない人が、獲得的要因を得てレジリエンスを高めるにはどうすればいいか。
方向性は2つあって、1つは「達成経験を増やすこと」。何か目標を立て、それを達成するという経験を積むことで、自己理解や問題解決志向などの獲得的要因は高められると言います。
またもう1つは「他者のサポートを上手に得ること」。資質的要因も獲得的要因もどちらもあまり持たない人は「他人に話を聴いてもらう」ことによって、資質的要因はあまり持たないけど獲得的要因は多く持つ人は「他人に教えてもらう」ことによって、落ち込みからの立ち直りを図っている傾向が見て取れるそうです。

また興味深いのは、資質的要因をあまり持たない人の問題への対処の仕方。
資質的要因の少ない人は、何か問題に直面した時に積極的に解決行動を起こすことがなかなかできず、目の前に留まって身動きが取れなくなる傾向がある。でも問題から「目を背けることなくそこに留まり続ける」ことによって、少しずつでも心理的な回復を図っている様子が見られるそう。ストレスへの対処法が消極的でも、資質的要因の少ない人は「少ない人なりのやり方」で、落ち込みからの立ち直りを果たそうとしているんですね。

不肖 マイケル、自分は明らかに楽観性が乏しく、資質的要因の少ない人間です。しかしこれまで 恵まれた 環境 のおかげで、獲得的要因を得る機会は多かったのではと思います。そして落ち込みやすい気質ではあっても、無意識のうちにけっこう自分に合ったやり方で、立ち直りを図ろうとしていたんだなと感じました。
何か凹む出来事に直面した時、ポジティブになれ、もっと自分をうまくコントロールしろと散々言われてきましたが、それができるなら苦労せんのですよね。だからいつまでもうじうじくよくよしてしまう。でもそのうじうじくよくよにもちゃんと意味があって、自分なりのやり方で辛い経験を乗り越えるために必要な、避けて通れない道なんですよ。

簡単 に通読できる本ではありませんが、ご興味のある方はぜひ読んでみてください。
自分の落ち込みやすさと落ち込みからなかなか立ち直れない理由に、少しでも光が当たると思います。また、無理に自分を鼓舞しようとせずとも、自分に合ったやり方でうまく立ち直る方法を考えればいいんだよと、優しく諭してもらえると思います。

*オアフ:Office Anniversary Family(社外からオフィス・アニバーサリーを盛り上げていただいているアドバイザー)

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