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【コラム】なぜ傾聴だけではだめなのか

投稿日: | 投稿者:北方 伸樹
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上司として、部下の話をちゃんと聞かなくてはいけない。と、管理職向けの研修などで教わりましたよね?いわゆる傾聴というスキルで、相手の声が”聞こえている”という意味の「聞く」ではなく、”耳を傾け相手をよく見て心を込めて聞く”という意味の「聴く」でなくてはならない、というものです。

大事です。とても大事です。でも、それだけでは部下を成長させたり、目標達成させることにはならないのです。

傾聴だけでは部下をマネジメントできない

そもそも部下の話をちゃんと聞けない、という場合には、そのトレーニングから始めなくてはいけないですが、ちゃんと聞ける、という前提で話を続けます。

傾聴すると、部下は話したいことを話すことができ、聞いてくれた上司に対して好感と信頼感を持ちます。ただ聞いてくれたというだけで、心理的なストレスや不安を軽減することができます。上司として、傾聴するスキルを持っておくことは部下をマネジメントする上で必須と言っていいでしょう。

一方で、「部下をマネジメントする」とは、チームの目標達成のために部下ひとりひとりに目標を与え、着実に部下が目標達成するように関与していくことです。そのプロセスで部下が成長し、さらに高い目標を達成できるように育てていくことももちろん含まれます。

理想的には、部下ひとりひとりが、任された業務の領域で、自発的に考え、行動し、成果につなげられる人材になるように育て上げることができれば最高です。

そうなると、傾聴が持つ効果だけでは十分ではありません。部下が話す内容が、目標達成にフォーカスされ、日々の行動を前進させるものになっていないと、いくら時間をかけて聴いても、成果を生まない日々が続きます。「話を聞いてもらえてほんとによかったなあ」という感想で終わってしまっては、マネジメントしているとは言えないのです。

傾聴しつつ、考えさせる

では、傾聴に何を加えれば良いのでしょうか?

部下が話したいことを話すことは、とても大切なことなのですが、ただ聴くだけで、部下に成り行きを任せていると、話はどこに行ってしまうかわかりません。「え、いまそんなこと話す?」ということもお付き合いせざるを得なくなってしまいます。

もし、部下が何について考えるのか、話すのかを上司がコントロールできれば、会話はもっとシンプルにシャープに進んでいきます。もちろん意図的に脱線させて多様な切り口から考えさせることもできます。ただし、あくまで部下に答えを考えさせるわけですから、上司側が用意した答えに誘導するのではありません。

部下に考えてもらいたいポイントを、的確に考えさせるのです。でも、そんなこと、できるのでしょうか?

相手に自動的に考えさせる「問い」

私たちには、問いを投げかけられると自動的に考えてしまうというプログラムがインストールされています。日頃私たちが行動を起こすとき、無意識にせよ意識的にせよ、自分に問いを投げかけて答えを出し、そこから行動を起こし始めています。

たとえば、朝、目が覚めると、「えーっと、今何時かな?」という問いが浮かんできます。その問いに答えるために「時計はどこにあったっけ?」という問いが生まれ、時計を探します。そこで「あ、もう7時だ。起きなくちゃ」という答えを見つけて行動につながります。

これは他人から問いを投げかけられても同じです。上司から「今日一番重要な仕事って何?」と聞かれると、「今日一番重要な仕事は何だろう?」と考え始めます。「どうすればその仕事をうまく完了させることができるかな?」と聞かれると、どうすればうまく完了させられるのかを考え始めます。

考えていくべき思考の流れを問いの形にして、部下の脳に突き刺していくのです。これが、部下の思考をコントロールするということです。

傾聴は問いとセットで意味を持つ

問いの答えを部下が話し始めたら、そこで傾聴のスキルが威力を発揮し始めます。しっかりと話を聴いてもらうことで、話している自分の言葉を聞きながら、その言葉に思考が刺激されます。そのプロセスで新たなアイデアが生まれたり、ぼんやりと無意識で考えていたことが明らかな思考となって言語化されていきます。

「なんでもいいから、話したいことを話してごらん」という傾聴ではなく、問いとセットで傾聴して初めて、部下は自分で考え、行動すべきことを自ら整理し、行動したいと思うのです。

上司は「問いかけて、聴く」をトレーニングすべし

上司は部下に関わるとき、様々な手段を用います。指示命令、要望、提案、フィードバック。駆け引きもあるでしょう。あの手この手の中に、ぜひ「問いかけて、聴く」というアプローチを加えてください。そうすることで部下の成長とチームの成果はプラスに大きく変化するはずです。

ただ、「問いかけて、聴く」というアプローチは、理解したからすぐできるというものではありません。実践と振り返りを繰り返しながら、試行錯誤を通じてできるようになっていく類のものです。部下マネジメントを効果的に行うためには必須のアプローチであるため、弊社のプログラムにはすべて、「問いかけて、聴く」トレーニングが組み込まれています。

 

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