
情報サービス業A社は、これまでも熱心に職場の健康づくりに取組まれていました。ストレスチェックにおいても、高ストレス職場を中心に積極的に介入されていましたが、着眼点を変え、なにがうまく機能して良好な職場が形成しているのかを調査することにしたのです。
そこから得られたものを他の職場に展開することを視野に入れた活動を、弊社として支援する機会をいただきました。
ご支援内容 - ストレスチェックを活用したチームづくり
ストレスチェックの集団分析結果から良好な職場を抽出し、その理由や背景を探るためのチームヒアリングを行いました。高ストレス職場を改善させるのではなく、良好な職場がなぜうまくいっているのかにあえて焦点を当てたのです。
その結果、良好な職場を生み出している組織マネジメント上の工夫やノウハウが、膨大に抽出されました。また、このヒアリングが刺激となって、参加された全員から、今後もっと良い職場となり成果を上げるために取り組みたい目標が出されたことは、単なるヒアリングにとどまらないもうひとつの成果でした。
チーム作りに効果を生んだ理由
ビジネスマンの多くは、日々忙しい業務に追われており、職場の状態を振り返り、今後の対策を考える機会はめったにありません。
今回は、弊社のインストーラーのファシリテーションのもと、ストレスチェックの集団分析結果を元に対話を行いながら、チーム内で今起こっていることを出し合いました。その中で、職場の様々なエピソードが語られただけでなく、それぞれの視点からの物事の捉え方も共有されました。これによって、上司と部下双方の役割認識や自信に繋がり、「自分のマネジメントに自信が持てた」「ここに配属されて良かった」等の感想も出ました。
これらの好影響が、今後のチーム作りへの更なる意欲に繋がったと考えられます。
ストレスチェックの組織分析が目指すもの
この図は、ストレスチェックの組織分析結果を例示したものです。多くの組織では、高ストレス職場のみが着目され、対策が取られる傾向にあります。それも必要なことではありますが、ストレスチェックの本来の目的は、ストレス状況の改善だけでなく、会社全体の働きやすい職場の実現と生産性の向上に繋げることです。
A社と弊社との共同作業は始まったばかりです。このヒアリングの結果についてもまだまだ活用できることがあります。今後もA社の方々と一緒に、組織全体が働きやすくなるよう取り組み続けます。
担当インストーラーの感想
今回のヒアリングでは、ストレスチェックをきっかけに様々な組織マネジメントに関わるコメントが聞かれました。ストレスを予防するというマイナスを回避する観点だけではなく、いかにチームとして成果を上げられるかをテーマにするプラスの追求の観点が大切です。それはいずれも、上司のマネジメントやリーダーシップの質にかかっています。
現行のストレスチェック制度においては、上司の部下マネジメントの質にあまり触れられることはありません。数多くのリーダー育成に携わってきた弊社のノウハウと、産業保健の観点を融合させ、働きやすく成果の出せる組織づくりに今後も携わりたいと思います。