「もっと部下に信頼されるリーダーになれたらいいのになあ」と思うことはありませんか?「でもなかなか難しいよなあ・・・」とあきらめる前に、どうすれば今よりバージョンアップしたリーダーに脱皮できるのかを考えてみましょう。
リーダーを脱皮させる4つのステップ
ステップ①:望ましいリーダーの具体的な行動や状態をことばで表現する
まず最初にはっきりさせないといけないのは、「どういう状態になりたいのか」です。
ある大手企業の部長Aさんは、「部下から気軽に相談に来てもらえるようにしたい」とおっしゃっていました。「現実には、部下は気軽に相談に来るどころか、なんとなくピリピリした空気を感じるようです。部下から相談しに来るのは、どうしても決裁が必要なときくらいなんです。実は、部下からの報告が遅れてクレームになったことがあるんですよ。ひょっとすると、気軽に相談できないのが原因なんじゃないかな・・・」
どうやら、ピリピリした空気をAさんは作り出してしまっているようです。何がその空気を作っているのかを聞いてみると、「よくないと思っているんだけど、つい腕組みをして眉間にシワを寄せてしまうんですよね。まあ、クセといいますか・・・。まずはそこから変えたいですね」
そこで、「腕組みをやめて、眉間のシワを作らない」ということに取り組むことにしました。
ステップ②:周囲に宣言して、パートナーを見つける
次に大切なのは、「周囲に宣言する」ことです。これをやれば、後戻りできなくなります。
Aさんは、毎週の業務連絡会が終わるとき、思い切って部下全員を前にして言いました。「今後、腕組みをやめて眉間のシワを作らないことにするよ。もし、そうなってなかったら、その場で指摘してくれ」
それで終わりではありませんでした。「それだけだときっと部下たちは指摘しないと思ったので、秘書の女性に『ちゃんとできていなかったら、できていないと言うように』と指示しました」
自分のチャレンジのパートナーを、秘書の方にしたようです。こうした徹底ぶりを聞くと、これまで数々の成果をあげてきたことが裏付けられた感じがします。
ステップ③:フィードバックと承認をもらう
その日からチャレンジを始めたAさんでしたが、初日は散々だったそうです。「いやあ、秘書から何度も『できていません』と言われましたよ。パソコンの画面を眺めて資料を作っているときも言われたし、部下の報告を聞いている時にも言われてしまいました。全然だめですね」どうやら、秘書の方は以前から率直に意見を言ってくれる人で、だからこそ彼女に頼んだそうです。
2週間ほど経つと、少し変化が現れてきました。「秘書が帰るときに、『今日は一度も指摘する機会がなかったですね』と笑顔で言われたんです。自分では気づいていなかったんですけど、そういう日もあったんです」
さらに1ヶ月経った頃には、「部下から、『なんだか最近は、部長に相談に行くのが苦じゃなくなりました。腕組みと眉間のシワだけじゃなくて、全体の雰囲気が変わりましたよ』と言われました。そういうものなんですね」と話してくれました。
ステップ④:次のテーマに取り組む
ここまで来ると、やろうと思わなくても自然にできている状態になっています。そこで、Aさんは業務連絡会で部下のみなさんに感謝のことばを伝え、次のチャレンジのテーマを宣言して取り組んでいます。
チャレンジを積み重ねる
こうしたチャレンジをひとつずつ積み重ねていくことで、自分自身も変わっていきますし、その変化がチーム全体の状態を変えていきます。大切なのは、何を変えるのかを明確にして、部下たちを巻き込んで一緒に変わっていくことなのです。
弊社では、リーダーの脱皮のサポートを組織の外から行っています。